令和に続く万葉集 〔Ⅲ〕

梅花の歌三十二首  序を併せたり

続く旅人の序文をご紹介します
万葉集を紐解きたい方々にぜひ……

庭には新蝶舞ひ 空には故雁帰る。   ここに天を蓋(キヌガサ)とし、地を座(シキイ)とし、膝を促け(チカヅケ)さかづきを飛ばす。


庭には今年の蝶が舞い遊び 空を仰ぐと静かに訪れを告げるのは去年来た雁だ。

大いなる天空は我を覆う屋根

座す地面は自己の存在を確かめ得る 我のみの指定席

そこで気の合う友と膝を交え酒を酌み交わす


大いなる大自然の中の悠々自適の気ままな時間が
ゆっくりと過ぎていきます
気の合う友と酒
そして去年訪れた雁も
今年初めて出会う蝶も
同胞です
自然が自分であり 自分が自然
渾然一体の世界が眼前に広がります

私達は決して失ってはいない
虫の声も風の音も
そして万葉集の世界も
身近な感覚の一部として
心のどこかに取り入れられているではありませんか

私達泰鳳会が去年 「野分きの会」を行った宇和島市の和霊神社の 一日小旅行…
今になってみると
あの山々 吹きわたる秋風
かけがえの無い時間を共有したのです

私達泰鳳会が求めているもの
個々の存在感 今 生きている という実感
こういうものでしょうか?

泰鳳会

能楽を通じて日本の古典を学びます。

0コメント

  • 1000 / 1000